Not Why, But How

Not Why=何故はほどほどに、過去(原因)に注力するのではなく、But How=未来・どうするか(解決策)を考える、というコミュニケーションルールです。

生産性に強い関係があります。


Why        How      

なぜできない    どうしたら出来る

過去        未来

あなた・人     事象

責める感じ     前向な感じ

上からの見方    一緒に考える

言い訳・開き直り  解決策・改善策


ドイツ企業に勤めたビジネスマンの証言によると、そのドイツ企業は、問題が起こりミーティングを開くと、「さあどうする」というトーンで議論をするとのことです。まずは課題解決から入り、解決策が決まると解決に取り組み、落ち着いてから原因究明に入るという順番だそうです。そのビジネスマンが部下の女性に「何が原因だろう」と聞くと、「今大事なのは対策をなるべく早くすることでしょう」とたしなめられたとのことでした。


日本企業ではどうでしょう。ビジネスマン研修の際、ディスカッションで「当社の技術会議はとても心が重くなります。技術テーマがなぜうまくいかないかを深堀する「なぜ、なぜ」を続けます。すると長時間、ダメ部分を出し続けることになり、場合によっては誰がと個人に非難が及び、重苦しい雰囲気になります。対策に至る前に疲れ果てます」という発言でした。日本企業の強みでもある「なぜ、なぜ」方式、原因を探る、弱みを消す方式です。しかし、解決策が出にくいのです。


このルールをある企業のベストプラクティス取材で学んだ筆者は、前職において、コンサルティング・プロジェクト・ミーティングで早速採用しました。ミーティングのゴールを共有し「さあ、どうするか、解決策を出そう」とスタートします。「その提案の理由は?」というメンバーには、「対案を出してから、理由を聞くこと」と批判や評論は後にし、とにかく「提案し、先に進む」ことをファシリテートしました。すると、会議が短いのです。1時間予定しても、30分程度で終わります。「その提案で行こう」と決めて、その場でPCとプロジェクターで原案を作り共有します。それに対し意見がある場合は追って問題点の指摘ではなく修正案を提出します。常に完成形が続きます。「問題点指摘⇒修正⇒指摘⇒修正⇒・・・」というやり取りの無駄が発生しません。


メンタルにも過去をほじくるのでなく、前に進むので楽です。モチベーションが上がります。

跡見学園女子大学・佐藤研究室(リーダーシップ・モチベーション論、経営心理学)