自己肯定感

2020年11月、卒業論文のシーズンです。6年間の卒業生の論文のテーマで多い一つは「自己肯定感」です。低い自己肯定感に悩む人も増えていますし、『逃げるは恥だが役に立つ』でもガッキーが演じる役はカウンセラー資格を持つ女性。ドラマ中、「自尊感情=自己肯定感」に関わるシーンがいくつか出てきます。

私が前職で研究した一つ、4か国若者(20代)調査でわかったことの一つは、米国は主に褒められて育ち、日本は叱り・怒られて育つことです。それをバネに「ナニクソ」と思い成長した人もいますが、しゅんとしたりメンタルに病む人もいます。

心理学に「学習性無力症」という用語があります。「ダメ出し」をされ続け「自分はだめなんだ」「なにをしてもうまくできないんだ」と「無力感」を「学習」した状態です。この心理状態の延長線上に「うつ」があるとされています。

「自己肯定感」とは「どんな自分であれ肯定する」=「自分らしさ」と「他人の評価」です。「他人の評価」を気にしないでいられれば「自己肯定感」も上がります。

欠点も良さも自分らしさです。例えば、忘れっぽい自分はちょっと間抜けだけど笑える自分、自虐で笑って受け入れて、他人の評価を気にしない。

SNSのコメントは大敵です。他者の評価欄。どうしますか。ある人はフェースブック投稿や閲覧をやめました。他者の自慢話のような近況や他者評価が気になってしょうがないからとのこと。

自己肯定感が気になる人は、「人の評価を気にしない」こと、でも難しいでしょうから、SNSから離れるなどその機会を減らすこと、駄目な自分でも変な自分でも気にせず受け入れることです。人に迷惑さえかけなければどんな生き方でも良いと思います。リラックス。

跡見学園女子大学・佐藤研究室(リーダーシップ・モチベーション論、経営心理学)