レジリエンス(回復力)、心的外傷後成長(PTG)、AQ(逆境指数)

ストレスの多い現代、心の免疫力、生き抜く力が大事です。大舞台に強い人をリサーチしたところ、大舞台になると「私を見て欲しい」とポジティブ思考をしていると語っていました。加えて、大舞台の後は成功でも失敗でも必ず成長感が伴うと感じていました。逆に、プレッシャーに弱い人は「失敗したらどうしよう」とネガティブ思考をしているとのことです。


1)レジリエンス(Resilience、回復力)

困難な状況にもかかわらず、しなやかに適応して生き延びる力です。レジリエンスを上げるにはどうするかの一例です。

1. ポジティブ・楽観思考:逆境・ストレスはチャンス、失敗は学びと捉える

2. コントロール可能なことに集中する

3. 気分転換、好きなことに没頭する(フロー状態)

4. 人にやさしくする、良い人間関係を持つ

私の対策は、ポジティブ思考、温泉、飲食、スポーツで気分転換、です。ポジティブ心理学を学んでいたおかげで物事をポジティブに見るスタイルがレジリエンスを上げてくれました。


2)心的外傷後成長(PTG、Post Traumtic Growth)

事件、事故、死などの衝撃的出来事があり、心的に傷をうけた後、その経験から何かを獲得し切り抜け、成長すること。逆境の後に強くなったように感じ、自身や能力に自信を深めます。

1. 人間関係の大事さに気が付き、関係性が改善・強化される

2. 同様な逆境の他者への同情が増す

3. 自分の身の回りの小さなことにもに改めて感謝する

4. ライフスタイルの変化:逆境に意味を見出し、世界観や人生哲学の構築につなげる

宗教や哲学、文学は苦しみの中にある肯定的側面を強調し成長を促す役割を持ちます。


3)AQ(逆境指数、Adversity Quotient)

「日常の様々な逆境に対して、人及び組織はどのように反応するのか」を指数化したものです。弱い~強くなる段階で、次があります。

1.逃避(Escape)

2.なんとか生存(Survive)

3.ただ単に対処(Cope)

4.逆境を管理し、解決(Manage)

5.逆境によって成長(Harness) 

 逆境に強い、AQの高い人の特徴

1. 失敗を学びと考える、平常心、楽観・ユーモア

2. 柔軟・現実思考、選択的

3.覚悟、自覚、スイッチオン


以上3つの心理学の関連コンセプトを挙げました。「生き抜く力」としてまとめると

1.工夫すること(ポジティブ思考)

2.主体的に取り組むこと

3.チームワーク・良い人間関係


せっかくの大舞台、楽しんで臨んでください。失敗したら、その時です、次にどうするか考えれば良いのです。

参考資料: I. ボニウェル『ポジティブ心理学が一冊でわかる本』成瀬まゆみ監訳、図書刊行会、(2015)

 

跡見学園女子大学・佐藤研究室(リーダーシップ・モチベーション論、経営心理学)